夫妻は掃除やオイル塗りなどの施工に参加され、夫人は照明器具づくりや桧の木片タイルの漆喰目地詰めにも楽しんで挑戦された。
また、キッチンはすべて天然無垢材を使った手づくりで隅々までゆき届いた配慮がなされている。シンクカウンターは栗の厚板を使っており、厨房側とダイニング側両方からの用途に応じた収納が造作されている。
内部の造作はT夫妻の年齢や趣味の良さに合わせる様に吟味された材料を使い、手間を惜しまず労力を注ぎ込んでいる。居間の琉球畳は国産無農薬有機栽培ワラ床に国産琉球表。土壁は屋根土に酸化黄、ベンガラ、角又を調合した糊ごねナデモノ仕上げ、腰にはロクタ紙を貼っている。
子供達の独立と御主人の退職を機にT夫妻の終の棲家としてこの住宅は大規模リフォームされた。暗い中廊下は広々としたリビングダイニングに取込み、解体前には得られなかった南北の通風と天然光の明るさを確保している。屋根からの雨水を利用した植栽が玄関アプローチ階段の両側で来訪者を迎える。玄関の框(欅)やダイニングテーブル(栃)は解体前のものや手持ちのものを再利用している。
東大和 T邸