壁は錆土、本庄山土の土壁や砂入り藁漆喰。天井は半付布目引き仕上げ。造作材は桧、桜、杉、楢、等々。照明器具、テーブル、ドア、作りつけ家具等は全て光風林の手作り。和室障子が引き込まれると和室と居間とは一体の広い空間となる。完成後夫人は家に帰ってくるのが楽しみになり、また家で過ごす時間が以前より格段に増えたとのこと。
横浜 T邸
某ハウスメーカーの軽量 鉄骨の住宅を2世代が同居していた住宅を分離し2世帯住宅にする改装である。 一人住まいとなるT夫人は自分の仕事を持ち、自立した生活を続けてきた。宝石デザインとオーガナイズという仕事柄、接客も多く、玄関からくつろぎのスペースまで落ちついた空間とする必要があった。また夫人は骨董や布が好きで、家つくりへの施主の参加も考え、布地をインテリアの重要な要素として取り込んだ。(食事テーブルの照明器具の布や、腰板目透かし貼りの目地の布など)
[夫人後記]
刻々と表情を変えてゆく土壁の地肌、丹精込めてつくられたそこここの棚、柔らかい手触り、居心地の良い広さと自然の素材。・・・・大きく姿を変えたわが家は、今は手にとって比べることはできないが終の棲家にふさわしいものとなり感謝しています。改装を思い立ったとき、躊躇無く筒井さんに依頼しましたが、限られた予算の中でこれほどまでのものが出来上がるとは、彼の仕事の一端を知る私でさえ、予想を遥かに上回るものでした。黙々と仕事をしながら次々と私の好みを見事にデザインしたり、布による参加を考えてくれたり、使えるものをきちんと取り置きして再利用してくれたり、藁切りを手伝ったり。・・・出来上がりだけでなく、その過程も楽しく経験できたことは大きな財産となっています。         1995/nov  Y・T