広尾共同住宅「ひろO」

この建物は3戸の立体長屋型共同住宅で、半地下駐車場部分(RC造)の上部に木造2階部分が建っている。内部は4つの床によって構成されるスキップフロアで、南側の光が建物全体に行き届くようデザインされている。またこのスキップフロアによって、各部屋のプライバシーを確保しながら南北方向の通 風が得られるようになっており、狭さを感じさせない空間を実現している。
建物内部の素材は、木・土・布・紙などの自然素材を使用。住戸内の湿度調節に威力を発揮している。西側住戸に住む大家さんの住宅では、旧母屋の屋根瓦をコンクリートの壁面や床に波形模様に埋め込んだり、建て替え前の床の地板を使って手づくり照明器具やテーブルに新たに再利用している。(照明器具は創工林の工房において筒井が手作りしている。テーブルは名工、服部敬三作。ステンドグラスは友人、岸哲也作。)また、倉庫に眠っていた江戸時代の板絵扉を修復して壁としてよみがえらせた。(日本画修復は筒井による。)
長年使ってきた神棚は新たに削り直し、再び大家さんの家を見守っている。各住戸は、それぞれ自分たちの屋根を持ち、界壁によって高い独立性を備えている。各住戸への個別の外階段、小路が見下ろせる玄関ポーチ、木製の玄関扉、太陽の光が行き届く各部屋、心が和む木製の窓に花台。外に出たくなる気持ちの良いバルコニー・・・。「ひろA」と同様、この建て詰まった土地に立地する条件を生かしながら、周辺環境や近隣の人間関係をより豊かにしていくことに対して気を配っている。