広尾共同住宅「ひろA」
一方、周辺環境に対しては、隣接する豊かな緑の恵みを享受しつつ、この建物もできる限り緑に覆われるようデザインし、緑豊かな都市住宅を目指した。最上階住戸は戸建形式としたこの建物は、街路に対して、色々な形の楽しい窓や緑の映えるバルコニー、香り良いハーブが植わる花台を配し、生き生きとした周辺住環境とも調和する街路環境を生み出している。また、現場における我々の手によるさまざまな手づくり仕事(余った壁タイルを使った浴室モザイクカウンター、余った木材を使った照明、大小の目にも楽しい棚々、壁に埋め込まれた大小の石、手作りガラスに陶器の数々、コテを使わない手による土壁塗り・・・)が、時に他の職人の自発的な創造を呼び起こた。
この建物は3戸の積層型共同住宅である。RC部分1・2階の上に鉄骨造住宅が建っており、1階は単身者用小規模住戸、2・3階が家族用住戸として設計されている。屋根には、砂利、土を載せ、まるで庭のように芝と低木を植えた草屋根とし、毎日の生活に潤いと安らぎを与えてくれるようデザインされている。また同時に建物の断熱と、エコロジカルな住環境の創造をつくりだしている。建物の断熱は、この草屋根と内装仕上げを兼ねる「珪藻土」を主体とする土壁によって、冬に暖かく夏に涼しい生活を送れるよう配慮している。これは同時になるべくエアコンなどに頼らない住宅内部の環境のあり方を目指す先駆的試みでもあった。